中国では椎茸の傘の部分と軸の部分が別々に売られていますが、日本では軸だけを食べる習慣がないので伝統的に軸がついた状態で販売されてきました。このため、軸つきは日本産、軸切りは中国産というイメージが固まっています。軸の部分は硬いので切り落として捨ててしまう方がほとんどだと思います。軸でもダシは良く出ますので使ってください。
原木栽培の干ししいたけには、石づきに木端がついていることがあります。きれいに取り除いて使ってください。
どんこ・香信など肉厚のしいたけは、軸も太くて硬い傾向があります。軸をつけたまま柔らかく戻してから包丁で切り落として使ってください。戻し汁に軸のダシも出ています。 ダシガラの軸は細かく刻んで佃煮にどうぞ。
「残った軸の使い道だが、これは細かに縦にほぐして糸状にする。糸状にした軸を天日で乾かす。これはカラカラになるまで放置しておくこと。これを揚げ物などをした時に素揚げ(ころもなどをつけずに、そのまま揚げること)にして軽く塩をふりかけて吸い物の浮かしにするか、またはしょうゆとみりんで、こってりとあめ炊きにして箸休めに使う。一度この方法で軸も捨てずに利用してみてほしい。「あっ」と思うほど軸も品よく美しく使える。」
(不識庵住職・藤井宗哲氏)
バレ葉など薄葉のしいたけは、軸も細く折れやすいので、手で簡単にポキポキ折れると思います。戻す前に軸を折るかキッチンばさみで切っておくと、切断面から吸水しやすくなるので戻りも早くなります。軸は軸でまとめておいてダシ取りに使いましょう。